その昔、社長はお笑いコンビを組んでいて、

M-1にも出場したこともあります。

吉本にもいましたけど、

コンビでサボり癖もあって、なかなか吉本も行かず。

ゆうてまだ19、20歳くらいのときやったかな。

とりあえず、名古屋吉本の養成所入ってんけど、

いきなりコンビで入学式に遅刻。

ガチャって入学式の扉そーっと開けたら、

わけわからん女の人に

「だれ？」言われw、

「入学者です」

ゆうて、そーっと1番後ろに座り、なんや聞いてたら、

元･横山やすしのマネージャーとかいう

偉そうなおっさんがあーやこーや自慢話をしとる。

開始5分でタバコへ行って、

終わったら真っ先にさっきの女が来て、

「なんで遅れたの？」とキレぎみ。

「あ、いや、横山やすしの元マネージャーの話が長いと思ったんで」

ゆうたらガチキレwww

「どうしたいの？売れたいの？」

と、入学式の子にいきなり聞いてくる女。

女というか、そいつもマネージャーらしい。

「時間守れない人は売れないよ」

言われ、

「でも、あんな横山やすしの元マネージャーのくだらん話聞いたら売れますかね」

ゆうたら、女マネージャー、

「あの人も5分遅刻してきたわ」

「だからか！www」

ゆうて、「遅刻はしません！www」ゆうて、入学式は終わり。

そんな我々も、お笑いだけは自信があったので、

養成所の初日はきっとネタ見せがあるはすやと踏み、

今までコントはたくさんやってきたけど、漫才やったことなくて、

でもネタ見せ初日で度肝抜かせないかんということで急遽、漫才作って、

いざ養成所初日当日。

初日はダウンタウンとかの番組の構成作家のハゲが教師らしい。

珍しく、ふたりとも1番前の席に座って、はよ漫才したくてたまらんわけ。

で、授業始まって、ハゲがなんや喋る。

うちらは高校からずっとコントしたりして笑いの基礎はもうわかっとる。

でも養成所やからね、基礎をめちゃくちゃ話すわけ。

中にはメモ取っとるやつもおる。

でも全然おもんないのよ話が。

基礎を教えるならそれでいい。でもマジすぎて笑いの養成所なのに笑いひとつもあらへん。

まぁええハゲは黙っとれ。ネタをやらせろ。

ほんで、ハゲはハゲで、緊張しとるのか、足が常にプルプルしてて、

気になって話も入ってけぇへん。

ハゲが震えとるだけ。

しばらくしたら、ハゲがマジな話しながら足プルプルがちょっとひどくなった時、

後ろのやつがいきなり、

「ぷぷっ…ぷぷぷ」

笑いよった。

したら、ハゲ、

「なにを笑っとる！面白い話ひとつもしてないぞ！！」

いやいや。

面白い話をせぇ！！www

あんなに人を引き込めんやつになにを教わるんやw

ネタ見せもあらへん。

1時間半、ずっとハゲのハゲた話。

それっきり足が遠ざかりw、

全然行かずに辞めて、でもあれよね。人って好きなことはなかなか辞められん。

その後、アマチュアでM-1出たりしたけど、

あの当時、今みたいにツイキャスとかTIK TOKとかさ、

YouTuberとかありゃ、笑いには自信だけあったから、

なんやそっちで活動もしたんやろうけど、

時代って大事よ。

チャットレディも、時代があると思うねん。

10年前と今じゃ違うしね、10年後はまた違うやろうし。

いい環境がある今に、やれることはやらなならん。

当時、吉本が面白くなくて辞めたのは後悔はないけど、

全力で勝負しなかったのだけは後悔。

その後、夢がなくなって、社長になろっかな思って今社長やけど、

やってた笑いは今も活きてるしね。

人はなんでも挑戦せないけません。

特に若いうちに。

20代なんてもん、10年しかあらへん。

お金稼ぎたければ稼げばいいし、

遊びたければ遊べばいい。

でも全部自分に返ってくるのは、皆平等。

生きてることに意味なんかありゃせんけど、

どう生きるかには、他人が意味を与えてくれます。

だから、とりあえずこの夏、

頑張って生きてくださいw